しほこの暮らし

40代 不妊治療と日々の生活のあれこれを綴っています。

深く鋭い洞察力の漫画「夜廻り猫」を読みました。

こんばんは、志帆子です。

訪問いただきありがとうございます。

 

同僚から勧められたマンガ「夜廻り猫」。

『私が一番泣けるマンガは「夜廻り猫」、号泣するときもあるから

迂闊に外では読めないとのこと・・・。』

しかもなんと8コマ漫画。たった8コマの中で、そんなことってあるの?

と思いながらも、会社の同僚に勧められて読みました。

それまで、「夜廻り猫」というマンガの存在さえ知りませんでした。

 

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調べたところ、第21回(2017年)手塚治虫文化賞短編賞を受賞していて、

ツイッターから始まってとても話題になったマンガとのことでかなり有名・・・😅

 

ストーリー
「泣く子はいねがー」
「一人泣く子はいねがー」

そう呼ばわりながら夜の街を行くのは、缶詰を頭の上に乗せて半纏を着た強面の猫、遠藤平蔵です。いつからそうしているのか、なぜそうするのかは明らかにされてはいません。けれども遠藤は、街の片隅で人知れず心で泣く人を、毎夜のように見つけては涙の理由を訊ね、ときに一緒に泣きます。

遠藤は心で泣く人、人知れずがんばる人を、ときに言葉で、ときに視線で励まし、ときどき食事の相伴にあずかります。野良猫ながら人に寄り添う遠藤が行く先々で出会う人や猫たちは、社会の中層から低いところにいながらも懸命に生きようとしています。

世の中は苦しいこと、つらいこと、悲しいことだらけです。誰しも生きるのがいやになることもあります。そんなとき、目から流れずとも心に流れてしまう涙の匂いをかぎつけて、遠藤平蔵はどこからともなく現れます。涙のわけを訊ね、嘆きを聞き、ただ頷きます。けれども、それだけで明日を生きられるようになる者はいくらもいるのです。

 

引用:泣ける猫漫画『夜廻り猫』の全魅力!キャラクターから料理までわかるまとめ | ホンシェルジュ

 

作者:深谷かほる
漫画家。
福島県出身。
武蔵野美術大学卒業。
漫画誌を中心に活躍中で、代表作『エデンの東北』(竹書房)や『ハガネの女』、
『カンナさーん!』(共に集英社)などがある。絵本やエッセイなどの著作も
多数あり。2015年10月、ツイッターにて『夜廻り猫』の連載を開始。
 
以下、インタビュー抜粋です。

 ──もともとは、ツイッターから始まったお話ですが、そのきっかけは息子さんからの要望だったそうですね。

はい、そうなんです。息子が入院している時期で、退屈なんじゃないかと思って「4コマ漫画でも書いたら気晴らしなる?」って聞いたら「なると思うよ」と言われて。聞いておきながらも、じつは私、4コマ漫画が下手で……。

 

──4コマではなく、8コマにされたのはどうしてですか?

持っていたコピー用紙がB5サイズで、ちょうどおさまりが良かったのが8コマだったんです(笑)。8コマ漫画って最小単位のストーリーものなので、4コマ漫画が苦手な私にも描けました。

 

──猫以外に、人間の場合は大学生からお年寄りまで幅広い人の気持ちを描いていますよね。

そうですね。でも、描けないタイプの人も少なくないんですよ。強気な人とか、自分の中に要素がないキャラクターは描けないです。共感できるかどうかとか、良し悪しとかではなく、単に理解できる人かどうかなんだと思うんです。理解できる、わかる人のことは描けているんだと思います。

 

『夜廻り猫』にも、失恋をした女の子、親に対する感謝をうまく言葉にできない青年、職を失ってしまった男性と、さまざまな人が登場し、それを見守る猫や周囲の人のさりげない愛情が描かれている。深谷さんの作品には、優しさという一言では表現しきれない大きな肯定感がある。それに励まされ、安心できる人によって、これからも愛され続けていくのだろう。

 

引用:『夜廻り猫』漫画家・深谷かほるインタビュー「登場するのは私が心を理解できる人たちだけ」。Twitterから広がる涙の物語

 

感想
心で泣いている人を見つけて、話を聞いて寄り添ってくれる情に厚い
「夜廻り猫」の遠藤平蔵が魅力的です。
最初は、たったの8コマで心に訴えかけられるようなことってあるのだろうか
と思っていましたが、たったの8コマで、伝えられるのだなぁという驚き。
ツイッターから始まったとのことですが、会社帰りに、この1話(8コマ)を
読むと、仕事の疲れが癒されるのかもしれないなぁと思いました。
暗い終わり方のストーリーが1つもないので、明るい気持ちになれます。
1巻しか読んでいませんが、遠藤平蔵の言葉で印象に残った言葉、エピソードの
一部をご紹介します。
 
自分は無能だと言う青年に・・・
自力で幸福になれる人間となれない人間がいて
幸福になれる人間は誰かに出会ったら分けてやれる
なれない人間は分けてもやれない
 
ベビーカーで階段を降りる女性の赤ちゃんが泣いている時に、
変顔をして赤ちゃんを泣き止ませた男性を見て・・・
働くとは、はたをらくにすること
 
名前も知らないけれど、毎朝見かける少年が成長するまで、
心の中で「おはよう」と言って見守り続けた女性。
子供の頃に知った、赤の他人で親子と言う事実。結婚式のスピーチで、
「赤の他人」とはこの世で一番仲がいいことだと思ってきたと話す女性。

 

心が温かくなりますので、梅雨の時期の読書にぴったりかもしれません。